K氏が高校野球京都府予選を、すでにハンドボール部でラストの夏を終えてしまった北嵯峨高校3年生の息子と観戦してきた。
もちろん、息子の在籍する高校の応援であり、息子の同級生で、K氏の家に何度か泊まりに来たこともある顔見知りの野球部員もいるのだった。
残念ながら勝てなかったのだが、家に泊まりに来たことがある子がキャプテンなんだそうな。
そのキャプテンがベンチにいるのではなく、応援席で応援団のリードをしていた❗️と言うのだ。
最終回。大量点差がついている。
応援団リーダーのキャプテンは、
「この回が最終回です‼️
今までより、一番大きな声でみんなで一致団結して悔いない応援をしようではありませんか‼️」
と、応援席に向かってメガホンで必死で呼び掛けたのだった。応援席もそれにこたえるのは、もちろん
K氏は、それだけを見ても応援に来て良かったとジンジンきたらしい。
話を聞くだけでも涙目になるわ
夕刊に、私が"部活動バイブル"にしていた方の記事が載っていた❗️
本日朝日新聞の《甲子園のこころをたどって》シリーズの4話目に登場。
都立高校の教師で野球部顧問。都立4校に勤務し、全てシード校に育てた。
『都立の星』
と言われている。甲子園経験はない。
佐藤 道輔先生❗️
この方の部活指導をどれだけ真似させていただいたことか。
「練習に心身を捧げる。
このグラウンドが甲子園なのだ。甲子園の心は、全員が力を合わせる毎日の練習の中にあるのだ。
だから、選手一人一人の人間の中に甲子園があるのだ」
このくだりは、部活指導だけではなく学年通信にもさんざん使わせていただいた。
それ以上に使った文章は、これ。長いけど引用。
「1年生への優しい言葉はいらない。きびしい言葉も必要ない。
大切なのは、2・3年生の態度なのだ。それが1年生を大きくつつみ、1年生をよく変えていくことになるだろう。
先輩に対し、頭を下げる必要なんかない。
しかし、努力する先輩の姿を胸で熱く感じたとき、1年生は自然に頭を下げ、あいさつするようになるだろう。
懸命に闘う先輩を尊敬し、先輩に憧れたとき、1年生は心からこれから3年間の野球部生活を決意することだろう。
つらいこと、いやなことを他人にやらせる。そんな集団は、大きな力を発揮することができるだろうか。
苦しいこと、きびしいことをまだまだ非力な1年生にやらせるような野球部に、正しいチームワークは生まれるだろうか。
野球は好きだけれど、野球部は嫌いだ、と1年生に感じさせる集団は、ほんとの勝利を得られるだろうか……」
そして、
〈私は、私たちの小さなグラウンドで練習に励む選手たちを、甲子園に行かしてやりたいと念じつつ、それを実現できずに27年目の夏を終えた。
選手たちとともに、夢を語り合った歳月は、またたく間に過ぎていったように思える。
敗れても、敗れても、あきらめずに練習してきた日々は、振り返ると選手たちとの信頼を築き上げてきた、充実した日々であった。
彼らが、もし甲子園に出場することができたなら、もっともっと努力する若者になるだろう。意欲ある青年に成長するだろう。誠実でファイトある大人になっていくだろう。
そう信じるからこそ、私は甲子園を夢見たのである。
もし、甲子園に出て、高慢で、生意気な威張った人間になるのなら、出ないほうがいいのだ。……、〉 1989 佐藤道輔